天気が悪くなると古傷が痛む

10年ほど前の冬に凍結した道路で転倒して足首を捻挫してしまい、歩けなくなるくらいの痛みがあったので整形外科に行くと、足首の靭帯のひどい捻挫と診断されました。

現在では日常生活では支障はないものの、関節が硬くなってしまい、動かしづらくなっています。また、梅雨時や、寒いとき、台風が近づいているときなどに関節が疼くように痛みます。

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捻挫は、固定して安静にしておけば時間の経過ともに痛みもなくなり自然治癒しますが、その後、関節が硬くなったままのことがほとんどです。リハビリによりかなり改善しますのでが、違和感が残ることが多くあります。天気が悪くなるときなどに関節が痛むと憂鬱なものです。

古傷の違和感や痛みにはお灸が非常に効果的です。お灸には痛みを緩和する作用だけなく、捻挫によりに関節内にできた瘢痕組織(体内のかさぶたのようなもの)を免疫細胞の1つであるマクロファージの働きを高めて処理させることができるので、古傷の痛みの根本を改善することができます。脱臼直後の肩関節や、骨折の後療法にもお灸が用いられます。

1度の治療で劇的に症状が取れる場合もありますが、怪我から時間が経つほど治療が必要です。強い違和感や痛みがある場合には、一般の方が自宅で使える煙の出ないお灸も薬局で販売されていますので、自宅灸をおすすめしています。当院でも試しにお灸を自宅で使ってみたいという方向けに、少量に分けて販売しています。

なお、院内でのお灸の施術においては上記写真のような台座のある簡易的なお灸は使用しません。火傷防止用のシールを貼った上での、透熱灸という手法で施灸します。