クライミングで膝の内側が痛くなった

20代男性

クライミングジムで登った後に、右膝の内側が痛くなり歩行も困難になったために来院。来院時には1週間ほど経過していたので、痛みは少なくなっていたが、足を高く上げて乗り込む動作をする事や、歩行時に足が着く時の衝撃で痛くなることは改善しないために来院。

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クライミングで膝の内側が痛くなる時というのは、原因として大きく分けてドロップニー(キョン)とハイステップ、ボルダリングでの着地が考えられます。

15年程前、「キョン」というムーブをクライミングジムでする人が多く見られたのですが、石灰岩のルートを登る人よりも花崗岩のボルダーをする人が多くなったためでしょうか、最近はほとんど深いドロップニーをクライミングジムでする人を見ることはなくなりました。代わりに、高い足に乗り込む「ハイステップ」というムーブをする人はよく見られます。

膝に限ったことではないのですが、関節を目一杯曲げた状態で力を入れるとかなり無理な力が関節にかかり、その結果軟骨が損傷します。そして、軟骨の損傷は容易には回復せず、痛みや炎症が長引くことになります。

当院で出来る治療としては、他の関節の障害の時と同じく、消炎鎮痛効果が期待できるので鍼、もしくは灸治療をすることをお勧めしています。また、繰り返しになりますが、筋肉が硬直しているために腰のひねり動作、背中を反らす動作ができないと力が発揮できないので、その分関節を深く曲げて力不足をなんとか補おうとします。クライミングジムで観察してみると分かりますが、次のホールドが取れなくて苦し紛れに膝を内側に入れてクネクネした動きをする人が結構いますが、これは上達の妨げになるだけでなく膝に大きな負担をかけるため、必要な時以外に膝を過剰に内側に入れることはお勧めできません。(関節に負担をかけないよう膝を内側に入れるのは難しいので、きちんとした知識のある人に教えてもらった方が良いでしょう)

クライミングジムは実際の岩に比べてフットホールドが大きいので、簡単に膝を深く曲げる体制になれてしまうため、かなり注意しないとすぐに障害が発生する傾向にあるようです。

関節の炎症は筋肉の疲労とは違うので、複数回の治療が必要な場合が多くあります。この方の場合にも、1回目で関節の痛みはある程度引きましたが、足圧治療も含めて3回ほど続けて治療しました。症状が治まっても、関節を深く曲げて登ればまたすぐに痛くなるので、曲げなくても済むような登り方のアドバイスをして膝の治療は終了しました。腰、背中の疲労が遠因となることがほとんどなので、症状がなくとも、月1回ほどのコンディショニングをお勧めしています。