今までそんなことはなかったのに、ここ最近指先がしびれて力が入らなくなった。今まではマッサージに通って肩こりがよくなると、指先のしびれもなくなっていたのだが、マッサージをしても一向によくならない。心配になって病院にいくと、「頚椎のヘルニア」と診断された。病院のリハビリだけではなかなかよくならないので、鍼灸の治療も受けてみようと決心してみた。
====================
この方は学生時代にラグビーをしていて、就職してから会社のクラブで本格的に続けられていた方でした。若い時は筋力がありますから、骨も筋肉によって安定した状態が維持できますが、年齢相応に筋力が低下してくると、頚椎が不安定になりヘルニアが起きることがあります。ちょうどこの方もしびれなどの症状が出てき始めたのは、年齢的に無理が利かなくなってきて練習に参加する機会が減ってきた頃でした。
腕にしびれがでる原因として考えられるのは、頸肩腕症候群(肩こりなどが原因)の他に、頚椎のヘルニアが考えられます。「ヘルニア」とは「飛び出す」という意味で、椎間板の中の髄核と呼ばれるゼリー状のものが飛び出して、神経を圧迫してしまうことを言います。
ヘルニアというと手術するしかないというイメージがあるかもしれません。確かに重症例の場合必要な場合もありますが、適度な運動・筋力トレーニングをしていくと自然に飛び出していたものが引っ込むときもあります。また、鍼灸治療をすることにより、免疫力が向上して飛び出した部分が処理される速度が早くなったり、不要な筋肉の緊張を和らげることでつらい自覚症状を抑えることもできます。
腰、首ともにヘルニアになるのは、腰でいえば立ちっぱなし、座りっぱなし、首でいえばずっと下を向いているなど、よくない姿勢をずっととり続けるのが原因の1つです。ヘルニアになってしまってから過度に動かしてはいけませんが、予防としては適度に体を動かすのがとても大切です。